良質な睡眠を取り戻すには?睡眠時無呼吸症候群の治療法|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

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良質な睡眠を取り戻すには?睡眠時無呼吸症候群の治療法|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

良質な睡眠を取り戻すには?睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法とは?

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、症状の重症度や患者さんの生活スタイルに応じてさまざまなアプローチがあります。早期に適切な治療を受けることで、日中の眠気などの睡眠時無呼吸症候群の症状の改善だけでなく、生命予後の改善や心筋梗塞・脳血管障害などの合併症の予防が可能です。以下では、代表的な治療法について詳しく解説します。

CPAP療法の効果と導入方法

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も一般的で効果的な方法です。この治療法では、専用のマスクを鼻または鼻と口に装着し、持続的に一定の圧力で空気を気道に送り込むことで、睡眠中の気道の閉塞を防ぎます。これにより、無呼吸が改善され、睡眠の質が大幅に向上します。

CPAP療法は健康保険が適応されており、導入にあたってまずは、簡易モニター検査または終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行う必要があります。

※簡易モニター検査:入院が不要で自宅で可能な簡易検査です。

※終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG):入院が必要なより正確な検査。

これにより、AHI(無呼吸・低呼吸指数=1時間あたりの無呼吸+低呼吸の合計回数)を確認し、睡眠時無呼吸症候群の診断とともに重症度が分かります。

睡眠時無呼吸症候群の重症度:

軽症

5≦AHI<15

中等症

15≦AHI<30

重症

30≦AHI

その上で、

・簡易モニター検査:40≦AHI

・終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG):20≦AHI

のいずれかでCPAP療法が保険適応で導入可能になります。

治療開始後は定期的に使用方法や圧力について医師の指導を受けることで、治療効果を最大限に引き出します。

マウスピースのメリットとデメリット

マウスピース(口腔内装置)は、いびき症や、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に対して有効な治療法です。また、CPAP療法が様々な理由で継続困難な方にもお勧めされます。この装具は、睡眠中に下顎を前方に固定することで、気道を広げて無呼吸を防ぎます。そのため、内科や耳鼻科の医師ではなく、歯科の先生を受診して御自身に合った装具を作成してもらうことが必要です。メリットとしては、CPAP療法に比べて装置が小型で携帯しやすく、快適に使用できる点が挙げられます。しかし、デメリットとしては、装置が合わない場合や顎関節症のリスクがあること、そして重症例では効果が限定的であることが挙げられます。適切な装置の選定と定期的な調整が重要です。

手術による治療の選択肢と成功率

手術による治療は、他の治療法が効果を発揮しない場合や、解剖学的な要因が無呼吸の主因となっている場合に検討されます。代表的な手術には、軟口蓋や喉の一部を切除して喉の奥のスペースを広げる「UPPP(口蓋垂咽頭形成術)」や、下顎を前方に移動させる「下顎前進手術」などがあります。手術が適する喉の形態かどうかによって効果に違いが出る可能性があり、手術にはリスクも伴うため、担当する医師と十分な相談が必要です。

生活習慣の改善と睡眠時無呼吸症候群の予防

睡眠時無呼吸症候群の治療において、生活習慣の改善は非常に重要です。治療効果を高め、再発を防ぐためには、日常生活の見直しが欠かせません。ここでは、体重管理や食事改善、さらには睡眠環境の整備など、無呼吸症候群の予防と改善に効果的な生活習慣について解説します。

体重管理と食事改善の重要性

体重管理は、睡眠時無呼吸症候群の予防と改善において非常に重要な要素です。特に肥満は、気道が狭くなる主な原因となり、無呼吸のリスクを大幅に高めます。適切な体重を維持するためには、バランスの取れた食事と定期的な運動が必要です。また、就寝前の食事を控えることや、カロリー摂取を管理することも、症状の緩和に繋がります。無呼吸症候群を予防するためには、日常の食生活の見直しは避けて通ることができません。

アルコールと喫煙の影響とその対策

アルコールと喫煙は、睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させる主要な要因です。アルコールは喉の周りの筋肉を緩ませ、気道を狭めるため、無呼吸の頻度が増加します。また、喫煙は気道の炎症を引き起こし、さらに無呼吸のリスクを高めます。対策として、アルコールの摂取は控えめにし、禁煙を強く推奨します。これらの習慣を改善することで、無呼吸症候群の症状を軽減し、全体的な健康状態を向上させることができます。

睡眠環境の改善と正しい睡眠姿勢

睡眠環境の整備と正しい睡眠姿勢も、睡眠時無呼吸症候群の予防と改善において重要な役割を果たします。横向きで寝ることは、気道を確保しやすくするため、無呼吸の発生を減少させる効果があります。また、枕の高さや硬さを調整し、首や背中に負担をかけない寝具を選ぶことも大切です。睡眠環境を改善し、リラックスできる空間を整えることで、睡眠の質が向上し、無呼吸のリスクを減らすことが期待できます。

治療効果を最大化するためのアフターケア

睡眠時無呼吸症候群の治療は、治療開始後のアフターケアによってその効果が大きく左右されます。治療がうまく進むかどうかは、定期的な診察やフォローアップの取り組み、そして患者さん自身の自己管理が鍵となります。ここでは、治療効果を最大化するためのアフターケアの重要性について詳しく説明します。

定期的な診察とフォローアップの重要性

睡眠時無呼吸症候群の治療を成功させるためには、定期的な診察とフォローアップが不可欠です。治療開始後も、症状の改善状況や治療機器の適切な使用を確認するために、定期的に医師の診察を受けることが重要です。特に、CPAP療法や口腔内装置を使用している場合、機器の設定や装置の調整が必要になることがあります。また、治療中に新たな健康問題が発生した場合も、早期に対応するために定期的な診察が役立ちます。継続的なフォローアップによって、治療効果を最大限に引き出すことが可能になります。

自己管理と家族のサポートの役割

治療効果を最大化するためには、患者さん自身の自己管理が非常に重要です。日々の生活習慣を見直し、医師の指導に従って治療を継続することが求められます。また、家族のサポートも欠かせません。例えば、CPAP療法の機器の使用状況を確認したり、食事や睡眠環境を整える手助けをすることが、治療の成功につながります。家族と協力して治療に取り組むことで、無呼吸症候群の症状が効果的に管理され、生活の質が向上します。

治療中に起こりうる副作用とその対処法

睡眠時無呼吸症候群の治療中には、いくつかの副作用が発生する可能性があります。例えば、CPAP療法では、鼻や喉の乾燥、肌のかぶれ、機器の装着感による不快感などが挙げられます。また、口腔内装置を使用する場合、顎の痛みや歯の移動が起こることがあります。これらの副作用は、医師と相談しながら適切な対策を講じることで、緩和することが可能です。例えば、加湿器の使用や機器の再調整、装置の適切なフィッティングなどが有効です。副作用に対する迅速な対応が、治療の継続と成功に寄与します。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療と生活習慣の改善によって、症状を管理し健康リスクを軽減することが可能です。CPAP療法や口腔内装置、手術などの治療法に加え、体重管理やアルコール・喫煙の見直し、睡眠環境の改善が重要です。また、治療効果を最大化するためには、定期的な診察とフォローアップ、家族のサポートが欠かせません。治療中に副作用が発生した場合でも、医師と協力し適切な対策を講じることで、治療を成功に導くことができます。

伊丹市、川西市、宝塚市にお住まいの方々で、睡眠時無呼吸症候群に関するお悩みがある方は、ぜひ当院にご相談ください。皆さまの健康を全力でサポートいたします。

(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)