高コレステロールを予防するための栄養と運動|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

〒664-0006 兵庫県伊丹市鴻池6-2-3
072-744-5513
WEB予約 WEB問診
ヘッダー画像

ブログ

高コレステロールを予防するための栄養と運動|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

高コレステロールを予防するための栄養と運動

高コレステロールはなぜ悪いの?

高コレステロールは、動脈硬化(血管が硬くなり、血流が悪くなる)や心臓病、脳卒中などの重大な健康リスクを引き起こす要因となります。これらのリスクを予防するためには、コレステロール値の定期的なチェックと生活習慣の改善が重要です。高コレステロールの原因を理解し、予防策を講じることが重要です。適切な対策を取ることで、健康リスクを大幅に減らすことができます。

コレステロールの種類

コレステロールと中性脂肪は、私たちの体にとって重要な脂質(脂肪の一種)ですが、それぞれ異なる役割を持ちます。

 悪玉コレステロール(LDL-C)

体の中の細胞にコレステロールを運ぶ役割を持っていますが、これが多すぎると血管の壁にコレステロールが溜まり、動脈硬化を引き起こす可能性があります。これが心臓病や脳卒中のリスクを高めるので「悪玉」と呼ばれます。

善玉コレステロール(HDL-C)

 血管の中に余分なコレステロールが溜まらないように、コレステロールを回収して肝臓に戻す役割を持っています。このため、血管を守る役割があり、「善玉」と呼ばれます。善玉コレステロールが多いほど、心臓病のリスクが低くなります。

中性脂肪(TG(トリグリセリド))

 食べ物から摂取したエネルギーのうち、使い切れなかった分を体に蓄えるための脂肪です。エネルギー源として重要ですが、これが多すぎると肥満や生活習慣病のリスクが高まります。

上記、3項目についてはほとんどの定期検診や健康診断などで測定されています。まずは御自身のコレステロールの状態を確認することから始めましょう。

高コレステロールの主な原因とは?

高コレステロールの主な原因は、食生活、運動不足、遺伝的要因、ストレスなどがあります。その他、十分にコントロールされていない糖尿病や甲状腺機能低下症、慢性腎臓病などもあります。特に、動物性脂肪やトランス脂肪酸を多く含む食品を頻繁に摂取することは、悪玉コレステロール(LDL-C)の増加に繋がります。また、過剰なカロリー摂取、特に糖質やアルコールの摂取や、運動不足や肥満は中性脂肪(TG)の増加に繋がります。

遺伝的にコレステロール値が高い家系の方は、食事や運動だけではコレステロール値をコントロールするのが難しく、薬物療法が必要になってしまうことがあります。これらの原因を理解し、生活習慣の改善を図ることで、高コレステロールの予防につなげることができます。

高コレステロールを予防するための食事療法

高コレステロールを予防するためには、食事療法が重要な役割を果たします。健康的な食事を取り入れることで、コレステロール値を効果的に管理し、動脈硬化や心臓病のリスクを減らすことができます。

コレステロールを下げる食べ物とその効果

コレステロールを下げる食べ物には、食物繊維が豊富な食品や、オメガ-3脂肪酸を含む食品があります。

悪玉コレステロール(LDL-C)を下げる食べ物

オートミール

食物繊維が豊富で、体内のコレステロール吸収を抑制し、悪玉コレステロールを低下させます。

ナッツ類(アーモンド、クルミなど)

 不飽和脂肪酸が豊富で、血中の悪玉コレステロールを減らし、心血管の健康を促進します。

青魚(サバ、サーモンなど)

 オメガ-3脂肪酸が含まれ、悪玉コレステロールを減少させるだけでなく、全体的な心臓の健康もサポートします。

オリーブオイル

抗酸化物質が豊富で、コレステロールの酸化を防ぎ、悪玉コレステロールの蓄積を防止します。

大豆製品(豆腐、納豆など)

大豆に含まれる植物性タンパク質が、体内のコレステロール合成を抑えます。

中性脂肪(TG)を下げる食べ物

青魚(サバ、イワシなど)

オメガ-3脂肪酸が豊富で、血中の中性脂肪を効果的に低下させ、炎症を抑えます。

緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草など)

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富でカロリーが低く、脂肪の蓄積を防ぎます。

ベリー類(ブルーベリー、ストロベリーなど)

抗酸化物質が豊富で、低カロリーのため中性脂肪を管理しやすくなります。

全粒穀物(玄米、全粒パンなど)

食物繊維が血糖値を安定させ、過剰な脂肪の蓄積を防ぐ効果があります。

豆類(レンズ豆、ヒヨコ豆など)

植物性タンパク質と食物繊維が中性脂肪の減少に貢献し、満腹感を高めて過食を防ぎます。

これらの食品を日常的に取り入れることで、コレステロール管理を効果的に行うことができます。

避けるべき食品とその理由

高コレステロールを予防するために、避けるべき食品も知っておきましょう。

動物性脂肪やトランス脂肪酸

バター、ラード、クリームなどの動物性脂肪が多い食品や、揚げ物、加工食品、ファストフードなどトランス脂肪酸を多く含む食品は、悪玉コレステロールを上昇させます。

高糖質食品の過剰摂取

白米、白パン、白いパスタ、スイーツ(ケーキ、チョコレート、アイスクリーム)などの精製された炭水化物や砂糖を多く含む飲料(炭酸飲料、フルーツジュース、エナジードリンク)は、血糖値の急上昇を引き起こし、体が余剰の糖を中性脂肪として蓄積しやすくなります。これが中性脂肪の上昇を招き、心血管疾患のリスクを高めます。

アルコールの過剰摂取

アルコールは肝臓で代謝される際に中性脂肪の合成が促進され、結果として血中の中性脂肪値が上がります。また、過剰なカロリー摂取により体重増加を引き起こし、それがコレステロールや中性脂肪の上昇につながります

食べ過ぎと間食

食べ過ぎや間食が多いと、カロリー過多となり、そのエネルギーが使い切れずに中性脂肪として蓄積されます。また、体重増加も招き、LDLコレステロールの上昇にもつながってしまいます。

これらの食品を控えることで、動脈硬化や心臓病のリスクを減らすことができます。健康的な脂肪や低脂肪のタンパク質を選ぶことが、コレステロール管理に役立ちます。

高コレステロール予防のための生活習慣の改善

高コレステロールを予防するためには、食事療法に加えて生活習慣の改善が重要です。適度な運動やストレス管理を取り入れることで、コレステロール値を効果的にコントロールし、健康を維持することができます。

定期的な運動の重要性と具体的な方法

定期的な運動は、高コレステロールの予防に非常に効果的です。有酸素運動は、血液中の悪玉コレステロール(LDL-C)を減少させ、善玉コレステロール(HDL-C)を増加させる効果があります。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などが有酸素運動に該当します。週に150分以上の中強度の有酸素運動を目標にすると良いとされています。

加えて、筋力トレーニング(レジスタンス運動)も取り入れると、全体的な体力と代謝が向上し、さらにコレステロール管理に役立ちます。無理のない範囲で始め、継続することが重要です。

ストレス管理と高コレステロールの関係

ストレスは高コレステロールの原因となることがあります。ストレスが慢性化すると、体内でストレスホルモンが分泌され、コレステロール値が上昇することがあります。適切なストレス管理は、高コレステロールを予防するために重要です。リラクゼーション法として、ヨガや瞑想、深呼吸法を取り入れることも有効です。また、趣味や運動を通じて気分転換を図ることも効果的です。日常生活において、十分な睡眠を確保し、バランスの取れた生活を心がけることが、ストレスの軽減につながります。これにより、コレステロール値の安定を図ることができます。

まとめ

高コレステロールは、動脈硬化や心臓病、脳卒中などの重大な健康リスクを引き起こします。その予防には、まず高コレステロールの原因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。健康的な食事療法として、食物繊維やオメガ-3脂肪酸を豊富に含む食品を積極的に摂取し、動物性脂肪やトランス脂肪酸、高糖質食品を避けることが効果的です。また、定期的な運動やストレス管理を取り入れることで、コレステロール値をコントロールし、健康を維持することができます。これらの取り組みを実践することで、健康リスクを大幅に減らすことが可能です。

定期検診や健康診断で指摘された高コレステロールに関するご相談や検査、治療について、是非お気軽にお問い合わせください。

(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)