肺炎球菌ワクチンの種類と副反応を医師が解説!ニューモバックスとプレベナー20の違いとは?
- 2026年3月2日
- 肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンの種類と違いを比較
肺炎球菌ワクチンには主にニューモバックスNP®(PPSV23)とプレベナー20®(PCV20)の2種類があります。どちらも不活化ワクチンですが、免疫の仕組みや注射方法、持続の考え方に違いがあります。ここでは、比較しながらわかりやすく解説します。
ニューモバックス®(PPSV23)の特徴と対象
ニューモバックスNP®(PPSV23)は23種類の血清型をカバーする多糖体ワクチンです。皮下注射(インフルエンザワクチンと同じ方法)で接種し、効果は約5年持続するとされています。。侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)予防効果が示されており(Bonten MJM, NEJM 2015)、5年以上の間隔をあけて再接種が検討されます。長年65歳の定期接種で使用され、安全性データが豊富です。
【参考】日本感染症学会 成人予防接種ガイドライン、CDC ACIP Recommendations
プレベナー20®(PCV20)の特徴と予防できる種類の違い
プレベナー20®(PCV20)は20種類の血清型に対応する結合型ワクチンです。筋肉注射(コロナワクチンやシングリックスと同様)で接種します。結合型ワクチンは免疫記憶を形成しやすく、長期にわたり免疫が持続すると報告されています。海外では高齢者への単回接種が推奨されつつあります(CDC ACIP 2023)。「20種類なのに23より少ない?」と疑問を持たれますが、重症化に関与しやすい型を重点的にカバーしています。免疫の「質」を重視した設計といえます。
【参考】CDC ACIP Recommendations、日本感染症学会資料
肺炎球菌ワクチンはどの種類を選ぶべき?
「どちらが強いですか?」とよく質問を受けますが、重要なのは強さではなく、接種歴・年齢・基礎疾患を踏まえた選択です。
定期接種と自費接種で選べる種類の違い
2026年4月以降、定期接種で使用されるワクチンの種類が変更される予定とされています。正式な実施内容は自治体の通知をご確認ください。自費接種の場合は医師と相談の上、接種歴やリスクに応じて選択します。「どちらが強い?」ではなく「あなたに合うのはどれ?」が正しい問いです。
糖尿病など基礎疾患がある人の肺炎球菌ワクチン選択
糖尿病や慢性疾患のある方は肺炎の重症化リスクが高いとされています。感染予防と血糖管理は「車の両輪」です。基礎疾患のコントロール状況や既往歴を確認し、種類とタイミングを判断します。
【参考】日本感染症学会 成人肺炎診療ガイドライン
肺炎球菌ワクチンの副反応は大丈夫?
副反応が不安で接種を迷われる方も少なくありません。ここでは実際に報告されている内容を整理します。
よくある副反応(発熱・腕の腫れ・痛み)
主な副反応は接種部位の痛み、腫れ、発赤(赤み)、軽度の発熱などがみられることがあります。筋肉注射であるプレベナー20®(PCV20)では接種部位の痛みが報告されていますが、通常は数日以内に改善します。
【参考】CDC ACIP Safety Data
重い副反応の頻度と安全性データ
重篤な副反応(アナフィラキシーなど)は非常にまれです。接種後は医療機関で一定時間様子をみます。厚生労働省の副反応報告制度でも頻度は低く、安全性は確立されています。副反応がゼロの医療はありませんが、肺炎による入院リスクと比較して考えることが重要です。「副反応が怖いから打たない」も一つの選択ですが、「肺炎の怖さ」も同時に知る必要があります。不安がある方は事前にご相談ください。
【参考】厚生労働省 ワクチン副反応報告制度
肺炎球菌ワクチンは本当に必要?
ワクチンには副反応の可能性がありますが、肺炎の重症化リスクも考慮する必要があります。
肺炎による入院・重症化リスク
65歳以上では肺炎は主要な死亡原因の一つです。65歳以上や基礎疾患がある方では、肺炎は入院や生活機能低下につながることがあります。肺炎球菌はその主要原因の一つです。ワクチンは発症ゼロではなく「重症化予防」が目的です。
【参考】成人肺炎診療ガイドライン
副反応と予防効果をどう考えるか
副反応は多くが一時的な局所症状です。一方、肺炎による入院や体力低下は長期的な影響を及ぼします。リスクとベネフィット(利益)のバランスを医師と確認しながら判断することが大切です。
まとめ
肺炎球菌ワクチンにはニューモバックスNP®(PPSV23)とプレベナー20®(PCV20)があり、注射方法や免疫の仕組みに違いがあります。定期接種の種類は変更予定であり、費用や詳細は自治体の通知を確認することが重要です。副反応は比較的軽度であることが多く、重症化予防の観点から接種の意義は大きいとされています。
当院には伊丹市をはじめ、川西市、宝塚市、尼崎市から多くの患者さんが来院されています。糖尿病内科を専門としながら、予防接種についても総合的にご相談いただけます。女性医師も在籍し、駐車場も完備しております。接種を迷われている方はどうぞお気軽にご相談ください。
(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)