マンジャロの効果と副作用とは?糖尿病治療薬が注目される理由と医師の見解
- 2025年8月7日
- マンジャロについて
マンジャロとは?糖尿病治療薬としての基本情報
「マンジャロ」は、2型糖尿病治療のために開発された注目の新薬です。近年ではその体重減少効果からダイエット目的でも話題になっていますが、本来は糖尿病治療を目的とした医療用医薬品です。
マンジャロの作用機序と有効成分
マンジャロの有効成分は「チルゼパチド(tirzepatide)」という化合物で、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の両方に作用する二重作動薬です。この働きにより、インスリンの分泌促進や食欲抑制、胃の排出遅延などを通して血糖値を下げる効果を発揮します。
参考文献:Jastreboff AM et al. “Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity.” N Engl J Med. 2022.
適応疾患と使用対象
マンジャロは、日本国内では2型糖尿病に対する治療薬として2023年に承認されました。特に肥満傾向があり、従来薬で血糖管理が思わしくない方に適しています。日本の臨床試験(SURPASS‑J‑mono)では、マンジャロ単独投与でHbA1c <7.0%の達成率が94%以上に達し、標準用量5mgでは平均6kg程度の体重減少も認められました
マンジャロが注目される理由とは?
マンジャロが多くの医療従事者や患者から注目されている理由は、その高い血糖降下作用と、顕著な体重減少効果にあります。
従来の糖尿病薬との違い
GLP-1受容体作動薬である「オゼンピック」や「リベルサス」などと比較しても、マンジャロはGIPにも作用する点が特徴です。この二重作用により、より強力な食欲抑制と体重減少が得られる可能性があります。
参考文献:Frias JP et al. “Efficacy and Safety of Tirzepatide vs Semaglutide in Patients with Type 2 Diabetes.” Lancet. 2021.
体重減少効果が話題に
マンジャロは、臨床試験において2型糖尿病患者に平均で約5〜10kgの体重減少をもたらしたと報告されています。この結果がメディアなどで大きく取り上げられ、糖尿病治療薬でありながら「ダイエット薬」として注目されるようになりました。
マンジャロのダイエット効果とその仕組み
マンジャロが体重減少に効果があるとされる理由には、いくつかの生理学的メカニズムが関与しています。
食欲抑制と胃排出遅延作用
GIPとGLP-1への同時作用によって、脳の食欲中枢に働きかけ、満腹感を得やすくなるとされています。また、胃の内容物の排出を遅らせる作用により、食後の血糖値上昇を抑え、少ない食事量でも満足感を得ることができます。
血糖値の安定がもたらす副次的効果
血糖の急激な上下動は空腹感を強める原因のひとつですが、マンジャロは血糖値の安定にも寄与します。その結果、間食が減ることで、体重管理がしやすくなると言われています。
基本的な使用方法(週1回、同じ曜日に皮下注射)
マンジャロは、「週1回の皮下注射」で済む手軽さから多くの患者さんの支持を得ています。注射部位は腹部や太もも、上腕に注射し、毎回場所を変えて皮下脂肪への負担を軽減します。
容量・用量のステップアップ(開始用量から最大15mgまで)
マンジャロには、6段階の用量(2.5mg/5.0mg/7.5mg/10mg/12.5mg/15mg)の注射があります。最初は「導入用量:2.5mgを週1回、4週間投与」にスタートし、安全に体を慣らします。その後「維持用量:5mgに増量」(4週ごと)し、血糖コントロールが不十分な場合は「2.5mgずつを4週間ごとに増量」、最大「15mg/週」まで調整可能です。
ダイエット目的での使用に注意が必要な理由
マンジャロの体重減少効果ばかりが注目されていますが、あくまで医師の指導の下、糖尿病治療の一環として使用すべき薬です。
副作用のリスクと安全性
最も多い副作用は悪心、嘔吐、下痢、便秘など消化器症状で、その大部分は一時的な症状です。しかし、膵炎、腎機能悪化、胆嚢障害、低血糖(特にインスリン・SU薬との併用時)、視力変化や稀に甲状腺腫瘍のリスクもあるため、甲状腺髄様癌の既往がある方や膵炎の既往がある方には投与が推奨されていません。マンジャロには、吐き気・下痢・便秘・食欲不振・低血糖(特に他の薬と併用時)などの副作用が報告されています。また、ダイエット目的で安易に個人輸入したり、医師の管理なしに使用することは大変危険です。
参考文献:日本糖尿病学会「2型糖尿病治療薬チルゼパチドに関する提言」2023年
医療機関での適切な管理が不可欠
血液検査や体調の変化を見ながら、副作用や効果を確認しつつ、慎重に治療を進める必要があります。
マンジャロを検討している方へ
体重や血糖値に悩んでいる方は、まずは医師の診察を受けることが重要です。自己判断で薬に頼るのではなく、専門的な視点からのアドバイスを受けましょう。
生活習慣の見直しも同時に
どんなに良い薬でも、生活習慣を改善しない限り、効果は限定的です。食事療法、運動療法、睡眠、ストレス管理など、全体的なアプローチが必要です。
伊丹市・宝塚市・川西市・尼崎市・池田市から通院多数
つねだクリニックでは、マンジャロを含む糖尿病治療のご相談を受け付けております。伊丹市はもちろん、宝塚市、川西市、尼崎市、池田市からも多くの患者様が来院されています。お困りの方はお気軽にご相談ください。
まとめ
マンジャロは、2型糖尿病治療薬として高い効果を発揮する一方で、その体重減少作用が注目され、ダイエット目的での使用が話題になっています。しかし、医師の指導なしに使用することは健康を害する可能性があり、推奨されません。体重や血糖値が気になる方は、まずは医療機関に相談し、正しい方法で健康管理を始めましょう。
伊丹市・宝塚市・川西市・尼崎市・池田市にお住まいの方で、糖尿病や生活習慣病でお悩みの方は、つねだクリニックへお気軽にご相談ください。
(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)