いまさら聞けない糖尿病の基本② 糖尿病の合併症|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

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いまさら聞けない糖尿病の基本② 糖尿病の合併症|つねだクリニック|伊丹市鴻池の内科・糖尿病内科

いまさら聞けない糖尿病の基本② 糖尿病の合併症

糖尿病の合併症とは?

糖尿病の最も怖いところは、「症状がないまま合併症が進行すること」です。高血糖が長期間続くと、血管や神経にダメージが蓄積し、さまざまな疾患を引き起こします。

糖尿病の合併症は、大きく分けて以下の2種類があります。

細小血管障害(細い血管にダメージ)

 ✔糖尿病神経障害(手足のしびれ・感覚鈍麻)

 ✔糖尿病網膜症(視力低下・失明)

 ✔糖尿病腎症(腎不全・人工透析

大血管障害(太い血管にダメージ)

 ✔動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞

 ✔足壊疽(壊死)による切断リスク

糖尿病は「全身病」といわれるほど、体のあらゆる部分に影響を与えます。「血糖値が高めだけど、特に症状はないから大丈夫」と放置せず、早めの検査・治療が重要です。

糖尿病の三大合併症(神経障害・網膜症・腎症)

糖尿病が進行すると、特に影響を受けやすいのが 神経・眼・腎臓 です。これらは「糖尿病の三大合併症」と呼ばれ、早期発見と適切な管理が重要です。  三大合併症は、細い血管(細小血管障害)がダメージを受けることで発症します。

①糖尿病神経障害

初期症状:両足先のしびれ・チクチクした痛み

進行すると:感覚が鈍くなり、ケガやヤケドに気づかない

足の傷に気づかず、感染が悪化すると 糖尿病性壊疽(えそ)に進行することもあります。  

②糖尿病網膜症

初期症状:目のかすみ、視野のぼやけ

進行すると:網膜の血管が破れて失明のリスクもあり

糖尿病患者の約3割が発症するとされ、定期的な眼科検診が必要です。  

③糖尿病腎症

初期症状:むくみ・尿にタンパクが出る

進行すると:腎機能が低下し、人工透析が必要になる可能性もあり

腎臓の血管がダメージを受けることで、老廃物を十分に排出できなくなります。なお、人工透析が必要になった方の一番多い原因が糖尿病です。

糖尿病と動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞との関係)

糖尿病は、心血管系の病気のリスクを大幅に高めます。高血糖の状態が続くと、血管内壁にダメージが蓄積し動脈硬化が進行しやすくなります。  

①心筋梗塞

 糖尿病患者は非糖尿病の方に比べて、2~4倍心筋梗塞を発症しやすいと言われています。動悸や胸の痛みを感じたら早急に医療機関を受診する必要があります。  

②脳梗塞

 糖尿病による動脈硬化が進むと、脳の血流が悪化し、脳卒中(脳梗塞・脳出血)のリスクが高まります。手足のしびれや言語障害が現れたら注意が必要です。  

「糖尿病=血管の病気」と言っても過言ではありません。血糖コントロールと動脈硬化の予防(血圧・コレステロール管理)が重要です。

糖尿病と足のトラブル(足壊疽のリスク)

糖尿病が進行すると、足の血流が悪化し、感染や壊死のリスクが高まります。 最悪の場合、足を切断しなければならないケースも…。

足トラブルのサイン

 ✔ 足のしびれ・冷え

 ✔ 小さな傷が治らない

 ✔ 皮膚が黒ずんでくる

予防策

 ✔毎日足をチェック(傷がないか確認)

 ✔靴はサイズの合ったものを選ぶ

 ✔入浴後はしっかり保湿し、乾燥を防ぐ

「たかが靴ずれ」と侮らず、糖尿病患者さんは日常的に足のチェックを行い、異常を感じたらすぐに医師に相談しましょう。

糖尿病が原因で発症しやすい病気

糖尿病は、三大合併症以外にもさまざまな病気のリスクを高めます。  

糖尿病と認知症の関係

糖尿病患者は、アルツハイマー型認知症のリスクが 約2倍になると言われています。これは、糖尿病による脳の血管障害(脳梗塞など)や インスリン抵抗性の影響が関係していると考えられています。  

アルツハイマー型認知症

糖尿病があると、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が蓄積しやすくなり、認知症の進行が早まる。  

血管性認知症

脳の血流が悪化し、脳細胞がダメージを受けることで記憶障害や認知機能の低下が起こる。  

「血糖値の管理=脳の健康管理」でもあります。糖尿病を予防することが認知症対策にもつながります。

糖尿病と歯周病の意外な関係

糖尿病患者は、健康な人より2~3倍歯周病になりやすいと言われています。これは、高血糖が原因で細菌感染が起こりやすくなるためです。  また、逆に歯周病があると血糖値が上がりやすいことも報告されています。

✔ 歯ぐきが腫れやすい、出血しやすい  

✔ 口の中が乾燥しやすい(ドライマウス)  

✔ 歯周病が悪化すると、血糖コントロールがさらに悪化する

「歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼす」ため、歯の健康を守ることも血糖管理の一環です。そのため、歯科検診を定期的に受けることが重要です。

糖尿病の合併症を予防する方法

糖尿病の合併症を防ぐには、日々の血糖管理が最も重要です。  

血糖コントロールの重要性

合併症を防ぐ最も効果的な方法は「血糖コントロール」です。合併症を防ぐためには、以下の目標値を意識しましょう。  

「まだ症状がないから大丈夫」と思わず、今すぐ血糖値の管理を始めましょう!

まとめ

糖尿病は、適切な血糖コントロールを行わないと、神経障害・網膜症・腎症をはじめ、心筋梗塞や脳梗塞、認知症のリスクを高めます。血糖値の管理を徹底し、定期的な検査を受けることで、合併症のリスクを大幅に低減できます。

当院では当日迅速の血糖検査(HbA1c・血糖値・尿検査)が可能です。伊丹市、川西市、宝塚市にお住まいの方で、糖尿病の合併症に不安がある方は、お気軽に当クリニックへご相談ください。  

(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)