いまさら聞けない糖尿病の基本① まずはここをチェック!検査の見方とは?
- 2025年3月7日
- 糖尿病について
糖尿病とは?基本的な知識
糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなる病気です。インスリンという血糖を下げるホルモンが血糖を調節していますが、糖尿病ではこの働きが低下し、血糖値がコントロールできなくなります。糖尿病は早期発見と適切な治療が重要で、放置すると合併症を引き起こす可能性があります。まずは、糖尿病の種類や発症リスクについて理解しましょう。
糖尿病の種類
糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病があります。
✔ 1型糖尿病:自己免疫の異常により膵臓(のβ細胞というインスリンを分泌する場所)が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気。若年層に多く、一生涯インスリン治療が必要。 糖尿病全体の約5%と言われています。
✔ 2型糖尿病:生活習慣(食事・運動不足)や遺伝が原因の病気。インスリンの分泌不足や働きの低下(インスリン抵抗性)によって血糖値が上昇。中高年に多いが、近年では若年層の発症も増加している。 糖尿病全体の約90~95%と言われています。
糖尿病の主な原因とリスク要因
糖尿病の発症には、遺伝的要因と生活習慣の両方が関係します。
主なリスク要因
✔過食・糖質の過剰摂取:インスリンが過負荷に
✔ 運動不足:血糖を消費できず、インスリンの効きが悪くなる
✔ 肥満:特に内臓脂肪が多いとリスクUP
✔ ストレス:ホルモンバランスが乱れ、血糖値が上がる
✔ 遺伝的要因:親が糖尿病だとリスクが2〜3倍
2型糖尿病は生活習慣の影響が大きいため、適切な食事や運動で発症リスクを下げることができます。 「血糖値が高め」と言われたら、生活習慣を見直すチャンスです!
糖尿病の診断基準と検査方法
糖尿病の診断には血糖値を測定し、基準値を超えているかを確認します。自覚症状が乏しいことも多いため、定期的な健康診断が重要です。
血糖値とは?正常値と糖尿病の基準
✔血糖値:血液中のブドウ糖濃度を示す指標です。
✔HbA1c:過去1~2か月の平均血糖値を反映する指標です。血糖値は食後や時間帯で変動するため、糖尿病の診断や管理に重要な役割を果たします。
以下の基準で診断されます。
糖尿病予備群とは?境界型糖尿病のリスク
糖尿病予備群(境界型糖尿病)は、血糖値が正常と糖尿病の間にある状態で、放置すると数約5年間で15~30%の人が糖尿病に進行するとされています。生活習慣の見直しにより、糖尿病の発症を予防することが可能です。
糖尿病予備群の段階で対策すべきこと
✔食事のバランスを改善し、糖質の摂りすぎを防ぐ
✔定期的に運動を行い、内臓脂肪を減らす
✔睡眠の質を向上させ、ストレス管理を意識する
糖尿病の検査方法(空腹時血糖・OGTT・随時血糖)
糖尿病の診断には、以下の検査が用いられます。
✔空腹時血糖値測定:10時間以上絶食後に測定する。
✔随時血糖値測定:食事に関係なく任意のタイミングで測定する。
✔OGTT(経口ブドウ糖負荷試験):糖を負荷するドリンクを摂取した後、2時間後の血糖値を測定する。血糖値が200mg/dL以上なら糖尿病と診断。
糖尿病の早期発見と定期検査の重要性
糖尿病は自覚症状がほとんどなく、進行すると合併症のリスクが高まるため、早期発見と継続的な検査が不可欠です。
糖尿病の初期症状を見逃さないために
糖尿病の初期症状は軽く、気づきにくいことが多いですが、以下の症状がある場合は注意が必要です。
✔のどが渇く、頻繁に水を飲む
✔トイレの回数が増える(特に夜間)
✔原因不明の体重減少
✔疲れやすい、倦怠感
✔手足のしびれや違和感
これらの症状がある場合、早めに医師に相談しましょう。
健康診断で糖尿病を指摘されたらどうする?
健康診断で血糖値が高めと指摘された場合、放置せずに医療機関を受診し、詳しい検査を受けることが大切です。
受診の目安
※あくまでも目安です。詳細はかかりつけ医師に相談下さい。
✔まずは再検査を受ける(一時的な高血糖の場合もある)
✔生活習慣の見直しを開始(食事・運動・睡眠)
✔早めに医療機関を受診(放置すると合併症リスクUP)
糖尿病は「早く気づけば怖くない病気」です。当クリニックでは、糖尿病の早期発見・治療に力を入れていますので、気になる方はぜひご相談ください。
まとめ
糖尿病は、早期発見と適切な管理により、合併症のリスクを抑えられます。定期的な健康診断で血糖値をチェックし、糖尿病予備群の段階で生活習慣を改善することが重要です。
伊丹市、川西市、宝塚市にお住まいの方で、糖尿病の検査や診断について不安がある方は、お気軽に当クリニックへご相談ください。
(文責:つねだクリニック院長 常田和宏)